モロあきこ
ハノイ(ベトナム)にある和風ダイニングカフェのブラックボード看板を手書きデザインしました。
カフェメニュー用ブラックボード看板を計5点ほど制作したのですが、空輸前に撮影した写真があるのでそのうち2点をご紹介。 黒板はアカツキボードさんから購入。消したり書き換える必要がないとのことだったので、白色のペイントマーカーを使用して仕上げました。...
おしゃれなブラックボードは雑貨店やカフェなどファッション性の高い店舗では絶大な集客効果を発揮するPOPツールですが、プロクオリティのものとそうでないもののデザイン的な差も出やすいため、上手に描くにはある程度のプランニングとセンスが必要になります。また、黒色のボードあるいは紙にどんな素材をチョイスするか、さらに何ペンで書くかなどによっても最終的な出来栄えが丸っきり変わってしまうので、プロのブラックボード絵師の場合そういった部分に作家それぞれのこだわりや秘密がたくさん隠されています。このページの情報をスタート地点に、皆様も試行錯誤してみてください。
作例では、300円くらいで入手したA4サイズ木製のブラックボードに、三菱鉛筆ブラックボードポスカで書いています。乾燥固着後でも濡れ雑巾で消せるので、失敗したところは消して書き直してます。
A4サイズを超えるあたりから、やはり作成前に簡単なラフスケッチがあったほうがラクに作業を進めれれます。とはいえ、細かすぎるラフは時間的にも作業的にも無駄になりがちなので、あくまで適当に…。ブラックボードPOPに入れる要素の整理と、その大きさ、大体の置き位置だけ決めれば十分です。小さい英字なども含めた装飾要素は、その段階では無視してください。
作例ですと、飾りフチ罫線をとりあえず入れたうえで、メインディッシュのタイトル文字とブタ絵をドーンと大きく入れてしまっています。オカズはできる限りデカくする、で間違いないです。この段階では文字の塗り潰しとかブタの仕上げには手を付けません。
次に、残りの文字要素をサイズが大きなものからやっつけていきます。意識するのは、タイトル文字に対しての大きさや文字の太さのコントラストです。要するに、ブラックボード全体的な見た目が単調にならないよう気を付けます。
仕上げの段階です。すべきことは、飾りをさらにデコッていく、スペースが空いて淋しいところにイラストや飾りキャッチを入れる、などです。と同時に、非常に大切なところなのですが、どこをどう塗り潰すかを見極めて作業していきます。遠目でみて、線ばかりが目について塗りの面が足りないようだったら、線を太くしたり斜線で処理したりなど、何らかの手法でバランスをとってゆきます。恐らく、ブラックボード面に対する白塗装面の全体的なバランスみたいなものが、仕上がりの良し悪しに直結するのかと思います。
本物のブラックボードを準備しなくても、黒板的な手書きPOPをお店の販促に利用することはできます。この作例では、黒の厚紙とブラックボードポスカで小型の商品POPを作成しました。ポイントは紙面のカタチを正方形にしたことです。なんだそれだけか…と思われるかもしれませんが、この紙のカタチのトリックは見た人の印象をかなり大きく左右します。例えば、これがA4など典型的な紙のサイズですと、それだけで「ああ、A4の紙にペンで書いたんだな」という印象を持たれてしまうのですが、正方形であるだけでクラフト感みたいなものがグッと高まり、遠目から見れば小さい黒板に書いたのかなと思わせることができるのです。
黒板ぽく見せるという点であともう一つ重要なことは、吸水性が高くて表面に毛羽立ちがある紙を使わないことです。イラストボードの表面に貼られる紙の種類はいろいろですが、ケント紙などなるべく表面が滑らかなものを選んでください。黒のボール紙は、大きなサイズだと反ってしまうので使いにくいのですが、小型のPOPなら全く問題ありません。値段も安いのでオススメです。
正方形のなかにデザインすることで見た目もおしゃれな感じになるこのタイプの手書きPOPは、雑貨屋やケーキ屋などGirlyなシチュエーションにピタッとハマるかと思います。
かっこいいカフェや飲食店の内装デイスプレイにマスト! な黒板メニューボードの書き方です。チョークとチョークマーカーでPOP文字、イラスト、デコレーションを黒板に書く、実践手書き術。
黒板ディスプレイを店頭看板的に用いる場合、少なくとも3日に一度くらいは書き換えないと却ってお客さまに対する印象が悪くなるかもしれないことを肝に銘じておきましょう。たまたまお店の前を通りがかった一見さんのお客様ならともかく、近隣に住む大切な見込み客の方々にとって、店頭の黒板ディスプレイがいつも同じお店というのはかなり残念な印象を与えてしまいます。何度見ても書いてあることが同じだったら、そのうち全く見向きもしなくなるのは当たり前のことですネ…。なので、店頭にブラックボードを置くと決めた以上、デザインなど見栄え以前に、実際にどういうコピーを掲載してどのように更新運用するかしっかり計画を立ててください。多少字がヘタであったりしても、お客様にとって有益で関心を惹くメッセージが書かれていれば必ず読んでくれるはずです。
大型の屋外にも設置できるタイプのものは、「黒板ディスプレイ」で検索すればディスプレイ装置の製造販売をしている会社が色々とみつかります。この手のものは相場的にはボードのみで¥3,000前後+イーゼル別売といった感じなので、例えば店内一部の売場でちょっと試してみたい場合やもっと小型で構わない時などには、少し高価なのかと思います。IKEAの定番にキッズ向けの黒板イーゼルというのがあって価格も¥3,000を切りますので、そこら辺が屋外設置可能な黒板ディスプレイの最安値なのかなもしれません。A3サイズより小さいものですと、画材屋で扱っているものより安価なボードが、場合によっては100円ショップでも売ってたりします。インテリア小物として出回っている黒板のほうが総じて安いかなと思います。ネットで買う場合は、本当の黒板なのか、マーカー専用の黒板に見える光沢ボードなのか、あたりを後述の何で書くかという件と絡めて吟味する必要があります。
本物の黒板の代用としての黒厚紙やイラストボードの類ですと、黒ボール紙が安くておすすめです。A4黒ボール紙の4枚セットが100円ショップで売られていることがよくありますので、画材屋で高価なイラストボードを買う前に足を運んでみてください。
黒板に使う本物のチョークですと、日本理化学工業のダストレスチョークというのがありますが、学校のチョークと同じような書き味なので、特に小型のディスプレイの場合に発色が弱く感じられることがあります。いわゆる「チョークアート」では、チョークではなくオイルパステルという画材を使っていて、発色は鮮やかなのですが、簡単に消せないなどちょっとした手書きPOPに使うには手間と費用がかかり敷居が高いです。
マーカータイプの画材でチョークと黒板的な表現に代用できるものとしては、「三菱鉛筆ブラックボードポスカ」と「マクソンチョークマーカー」の2つがメジャーです。マーカーですので、紙のブラックボードにも書けるし、本物の黒板に書いた場合でも水拭きで消せるので扱いがラクです。より本物のチョークに近い質感の仕上がりをマーカー画材に求める場合、「ZIGポストチョーク」という画材があります。塗り潰したときの表面の感じがよりチョークっぽい感じです。同シリーズで売られているブラックボードがリーズナブルなのも見逃せません。
以上、選択肢が多くどれがお店の用途に最適なのか判断は難しいのですが、使用するボードのサイズや材質、発色、書き換え頻度あたりを考慮してチョイスしていただければよいのではないでしょうか…。
実際に描いているところをビデオに撮ってみました。ブラックボードを前にアドリブ一発撮りなので心配でしたが、まあまあかなと思ってます。。。マーカーはブラックボードポスカです。白で描く場合、ブラックボードポスカで間違いないかと思います。ただしブラックボードポスカの白以外は発色に少しクセがあるので、もう少し他の画材も試そうかなと…。ただし描いたあと消せないのはダメなので、そうなるとあまり選択肢がないのですが。
お店の売り上げアップにいまや必須となった手書きポップの詳細解説ですヨ。
PDF形式のベクター画像で綺麗にプリントアウトできる素材集です☆ブラックボードの装飾に使えそうなものもあります。